引越し前の最小限で不便な生活

幼少期から一人暮らしの時期、そして今に至るまで、幾度となく引越しを経験しました。親の転勤、マイホーム完成、上京、お隣さんとのトラブル(による転居)、結婚、出産・・・。引越しのたびに家族構成や新居までの距離、荷物の多さなどはもちろん違いましたが、すべてにおいてあるのは「引越し前の最小限で不便な生活」です。

引越し当日が近づくにつれ、家の中に口の開いた段ボール箱が増え、キャビネットやボックスが消え収納物が床に直置きに。

テレビやコンポといった嗜好の電化製品は柔らかい布にくるまれ、お皿やカラトリーがプラスチックや紙製品に。梱包から荷解きまですべてやってくれる引越しサービスもありますが、当日までじっとしていられないので、いつもある程度は自分たちで荷造りしてしまいます。

荷造りは出番の少ないオフシーズンのアイテムや飾り物、思い出の品、予備や在庫品などから始めます。段ボールに詰めると同時に、その段ボールを置いておくスペースも必要なので、部屋ごとに進めることが私のルール。

一番最後に手を付けるのが、文房具屋工具、食材や調味料類、水回りのアイテム、カーテンです。料理をする暇や器具も少なくなってくるので、引越し直前は外食やお惣菜が増えるのも必至です。段ボールだらけになった家の中で、そばにあるのは家族の姿と生活に必要な最小限のもの。

このつつましく不便な生活は、新しい生活への期待とそれまでの暮らしのムダや贅沢さを感じさせます。